平成15年6月第二回定例会一般質問

  質問根本朝栄議員 私の質問は、通告どおり次の5点でございます。
まず初めに、健康対策についてお伺いいたします。
急速に高齢化が進む今日において、お年寄りの皆様が健康で長生きしてほしいと思うのはだれしもの願いであり、私もその一人であります。一般的に、健康づくりの基本は、栄養、運動、休養と言われておりますが、実際の生活ではわかっていてもなかなか実行することが困難なようであります。最近では生活習慣病と言われる高血圧や糖尿病などを患う人が著しく増加していると言われております。こうした中で、寝たきりや病気を患いながらの長寿ではなく、健康に暮らせる期間という意味で、健康寿命をいかに延ばすかが大きな課題となっております。本市におきましても、介護予防や医療費の抑制という意味からも、この点については見逃すことのできない重要なテーマでございます。さて、近年では、競泳が主体だったプールに水中歩行のためのコースを設けられたり、水中運動教室が盛んに開講されるなど、健康づくり、病気予防のための運動として水中運動が注目を集めております。この水中運動について、NPO法人日本健康運動指導士会会長の神山五郎氏は次のように述べられております。「水中では浮力が働きますから体重が10分の1となり、ひざや腰、関節やアキレス腱などにかかる負担が大幅に軽減されます。したがって、高齢者のように陸上では自分の体重を支える筋力が不十分でも、水中であれば浮力の働きによって支えることが可能となります。ひざや腰に痛みを抱える高齢者であっても痛みが和らぎますから、体を自由に動かすことができるようになるのです。しかも水中は陸上と比べけがもしにくく安全です。高齢者が運動するには水中は快適な環境と言えます」と述べられております。本市の課題でもある高齢者の健康対策には、プールでの水中運動は極めて効果的でございますが、プールを利用されている高齢者や障害者の方から、利用料の減免について要望があるのも事実でございます。そこで、障害者や高齢者の方が大いに市民プールを活用できるよう、利用料の減免制度を導入し、健康施策を展開すべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。
 さて、先ほど健康づくりの基本は栄養、運動、休養と申し上げましたが、それに加え大事なことは病気の早期発見・早期治療でございます。特に脳疾患の早期発見は寝たきりや介護予防の上からも非常に大事な問題でございます。この問題につきましては、平成14年第一回定例会で脳ドック検診に対する助成制度創設について一般質問させていただきました。その答弁の中で、市長は、「死亡原因の高い脳血管疾患を予防する観点からも、脳ドック検診の必要性については十分認識しておりますが、検査医療機関との調整、それから他市町の実施状況等を調査、研究しなければならないことも多々あるように思いますので、今後の課題とさせていただきます」と答弁されました。検査医療機関との調整と言われておりますが、実は、本市にあるくろさわ脳外科の先生と懇談する機会がございました。くろさわ脳外科は言うまでもなく脳の専門医院であり、市内唯一MRIを保持しております。くろさわ脳外科での脳ドック検診は費用が2万円、その検査項目は脳の断層写真、脳血管撮影、頸動脈エコーの3項目となっております。先生は、「脳の病気の早期発見・早期治療は非常に大事で、医療費や介護保険とも密接に関連してくる」と述べられ、「もし市で実施する場合でも受け入れは可能である」と言われておりました。
私は、身近にあるくろさわ脳外科を検査医療機関に指定して実施することも可能であると思うものでございます。また、市長は答弁で、「他市町の実施状況を調査、研究する」と言われておりますが、利府町でも脳ドック検診に対する助成を実施されております。希望する町民の方に 5,000円を助成するもので、医療機関に関しては特に指定もせず、受診後、町に領収書を添付して申請すれば助成される仕組みになっております。昨年では70件ほどの申請があり、早期発見された方もいるそうでございます。以上のことから、市長の心配されている医療機関との調整、そして他市町の実施という点では大体クリアできるものと考えます。私は、脳ドック検診に対する助成制度を創設することにより、どれほどか介護予防と市民の健康対策につながるかはかり知れないと思うものでございます。市長はこの点どのようにお考えか、あわせて見解をお伺いいたします。
 次に、起業家育成についてお伺いいたします。
長引く景気低迷により、企業の倒産が相次ぎ、雇用不安など先行き不透明な大変厳しい経済状況となっております。また、日本経済の問題の一つに廃業率が開業率を上回っていることが挙げられ、この状態が長く続くと経済全体の活力低下が懸念されるわけであります。
 こういう時代にこそ、新規事業の開拓に挑戦する中小企業を数多く輩出していくことが何よりも大事であります。新しい事業、産業を生み出すベンチャー企業の存在は、経済成長を支え、雇用を確保する源泉であります。一般に創業に際して最も問題となるのは資金の確保でありますが、これに対し、開業支援を目的に、政府系金融機関である国民生活金融公庫を通じて運転資金を無担保、無保証で最高 550万円まで融資する新創業融資制度が昨年2月にスタートいたしました。また、会社設立の敷居を低くするため、最低資本金の規制を5年間にわたって免除し、会社を設立できる中小企業挑戦支援法に基づく特例制度が本年2月から実施されております。これにより、宮城県では25社、全国で 1,856社が誕生いたしました。また、資本金1円で創業した会社が全国で46社誕生しております。このように国におきましても開業率を上げるため創業の促進に力を入れております。ただ、残念なことは、多賀城市内にも創業を志している人、人材も豊富にいると確信いたしますけれども、このような国の取り組みや制度など、余り知られていないということであります。私は、将来に向けた多賀城市の税収向上策や雇用の確保策を図るためには、企業の誘致や既存の企業を支援することはもとより、創業を志す人、つまり起業家をどう育成するかが非常に大事な課題であると認識するものでございます。県の外郭団体みやぎ産業振興機構では、本年度にマーケティングの仕方やビジネスプランの策定、経理など、新事業を行うのに必要なノウハウを習得してもらうのを目的に、起業家育成講座を開催する運びとなっております。本市におきましても、将来の多賀城のため、国のこれらの制度や取り組みを広く市民にPRし、創業を志す人のセミナー講座など積極的に開催しながら、多賀城市の起業家を育成すべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、災害対策についてお伺いいたします。
今も忘れもしないちょうど25年前の6月12日、宮城県沖地震が発生し、大きな被害をもたらしました。また、8年前の平成7年1月17日、午前5時46分、死者数 6,435人、家屋の倒壊14 4,274戸という災害史上まれに見る阪神・淡路大震災が発生し、気象庁の観測始まって以来の震度7を記録したのであります。また、本年5月26日、宮城県沖地震の再来を思わせる震度6弱の三陸南地震が発生いたしました。大した被害もなく胸をなでおろしましたが、最近では「災害は忘れないうちにやってくる」と言われておりますが、個人、行政を問わず、危機管理体制の確立と被害を最小限に食いとめる災害対策の重要性を改めて認識したところでございます。さて、政府の地震調査委員会が発表した宮城県沖地震長期評価によりますと、マグニチュード 7.5前後の地震が20年以内に83%、30年以内では99%の確率で発生し、さらに、マグニチュード 7.5以上になる確率も高くなったとのことであります。新聞報道によりますと、国においては高い確率で発生が予想される宮城沖地震を含め、広範囲を観測対象とする日本海溝沿い地震に関する専門調査会を中央防災会議に設置する方針を固めました。これにより、これまで東海地震を対象とした特別措置法はありましたが、新たな宮城県沖地震を対象とした特別措置法を制定し、国を挙げての対策が強く望まれるところでございます。阪神・淡路大震災のときの課題として、行政の実践的な防災対応能力、個人や企業の防災への参画の仕組み、地震防災施設の効率的、効果的な整備手法などが挙げられました。本市では、災害対策基本法に基づき、多賀城市地域防災計画を策定しております。しかし、本来であれば基本的な法律があって、その上で計画など策定されるものであると認識しますが、本市にはその基本となる条例がありません。来るべき宮城県沖地震に備え、対策を万全に講ずることが最重要の課題であります。そのためには、まず、市民、事業者、行政の責務、役割、そして災害時の対応についても明確に条例で定めるべきと考えるものであります。多賀城市防災基本条例の策定について、市長の見解をお伺いいたします。
 さて、言うまでもなく、災害に対しては、みずからのことはみずから守るという自助、地域社会全体で地域を守るという共助、行政が市民の安全を確保するという公助、この自助・共助・公助の三つの役割を明確に立て分けて対策を講じなければなりません。
しかし、災害弱者と言われる高齢者のひとり暮らし、高齢者世帯、障害者世帯の方々は、みずからを守るといってもハンディがあるのは当然であります。特に、家具の転倒防止にはなおさら気をつけなければなりません。阪神・淡路大震災のときには、早朝のせいもあり、家具の転倒で身動きもできず、火災に巻き込まれたケースがありました。各家庭における家具の転倒防止対策は何よりも優先順位が高い対策の一つであります。
さて、東京都板橋区では、平成7年7月、高齢者等の居住する家屋内の家具に転倒防止器具を取りつける費用を助成する事業を始めております。また、渋谷区でも同様に、高齢者世帯等に無料で3個まで取りつけております。宮城県におきましても家具転倒ゼロ作戦を展開し、固定作業が困難な高齢者や障害の世帯を対象に家具などを固定する作業を無償で行う事業として、秋以降に予定しており、金具等は実費負担ということであります。多賀城市地域防災計画の中で、「個人の役割、自己管理」のところでは、家具の転倒防止措置について述べられております。しかし、自己管理の困難な方については触れられておりません。災害時における市民の生命と財産を守ることは行政の最重要課題であります。そこで、家具の転倒防止対策として災害弱者の方々に家具の転倒防止器具を設置すべきと考えますが、市長の理解ある答弁を求めまして、私の質問を終わります。
答弁鈴木市長 根本議員の質問にお答えを申し上げます。
健康対策について2項目、それから起業家育成について、それから災害対策について2項目の質問がございました。まず最初に、健康対策でございまして、第1点目の、健康施策として、市民プールの利用料減免制度の導入をという御質問でございますが、高齢者の方や障害者の方が健康増進のためにプールを利用するということは、極めて効果的であると私も認識はしております。しかしながら、利用の仕方や運動の方法によっては危険な一面もございますので、当面は専門の講師により、安全で効果的な指導を行っている市民スポーツクラブの各種教室及びサークルへの参加をお勧めしたいと思っておるところでございますが、なお、今後健康施策として導入に向けた検討は行っていきたいと思っておりますが、まず、市民プールの使用料については、市が高齢者や障害者の方々に対する健康増進事業を行う場合など、市が主催をして使用するときは10割の減免となっておるわけでございます。
次に、2点目の健康対策についてでございますが、介護・病気予防のための脳ドックに対する助成制度と。これは平成14年第1回定例会の御質問の際、今後の課題とさせていただきますと回答いたしたところでございますが、私自身もこのことについてはその必要性を強く感じてはおることでございますが、各医療機関ごとに脳ドック検診項目が現在のところまちまちでございます。それに伴って検査金額も違うことなどから、これは何とかどこのお医者さんに行っても同じだというようなそういう体制がとれないものか、引き続き塩釜医師会等と協議をしながら、実施した場合の自己負担額等について調査、研究をしてまいりたいと考えております。検査項目は、赤石病院の場合は、検査項目がそれぞれ違っておりますけれども、3万円、エキサイ会病院の場合は2万円、くろさわ医院の場合は2万円、それから塩釜市立の場合は1万 9,950円、坂病院の場合は1万 7,000円、沢乙クリニックが1万 5,750円、このような状況になっておるわけでございまして、お話しございましたように、利府町では実施をしておりますし、富谷町では現在、自己負担金や方法について検討中で、8月ころから実施したいということでございます。それから岩沼市では、脳画像みやぎが解散したために、今度は仙台の星陵クリニックに委託予定であるということでございまして、それから矢本町でもやっておるということでございますから、このことにつきましてはもう少し時間をかしていただきたいと思いますが、前向きに進めたいと思っております。
次に、起業家育成についてでございますが、国の新創業融資制度につきましては、雇用創出を伴う事業を始める方や、技術やサービス等に工夫を加え、多様なニーズに対応する事業を始める方に対して 550万円を限度として、無担保、無保証で国民金融公庫が融資するものでございます。また、最低資本金規制の特別制度についてでございますが、これは新事業創出促進法の一部改正によりまして、本年2月から実施されたもので、商法の最低資本金規制の特例を設け、新たに創業する方について株式会社の場合は 1,000万円、有限会社の場合は 300万円という最低資本金規制の適用を受けない会社設立を認めるとともに、設立後5年間は当該規制を適用しないということで、それぞれ新事業への挑戦を容易にする大変よい制度であると私は認識しておるところでございます。
このことから、これらのことに対するPRが不足しているのではないかという提言がございます。現在、財団法人みやぎ産業振興機構におけるこれらを踏まえた各種セミナー、それから中小企業に対する国、県等の各種融資制度につきましては、仙塩工場多賀城地区連絡協議会、それから本市の商工会、あるいは市の広報誌等を通じまして今後周知に努めてまいりたいと思っておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、災害対策でございますが、多賀城市防災基本条例の制定をしたらどうかということでございますが、災害対策基本法に基づいて策定をしておる多賀城市地域防災計画において、市民それから事業者、行政の責務と役割等について詳細に定めております。条例によってこれらのことを明確にすべきではないかという考えが示されたわけでございますが、自分たちの地域は自分たちで守ると、総合的な防災に対する基本理念は根本議員と同様の考えでありますことから、当分の間は多賀城市地域防災計画に基づいて対応してまいりたいと思っておるので、御理解をいただきたいと思います。
参考でございますが、東京都板橋区それから神奈川県横浜市で防災基本条例を制定しております。条例の内容につきまして検討しますと、市としての防災に関する基本理念などが明記をされており、具体的な行動内容につきましては、本市と同様に法に基づいて策定した地域防災計画に明記されているところでございます。東北地方では、宮城県に確認をしたところ、まだどこの市町村でも条例化されていないというのが現状のようでございます。
次に、災害対策についての2点目、災害弱者の方に家具の転倒防止器具の設置をという御質問でございますが、有事の際の対応については、高齢者や障害者世帯に限らず、すべての市民が常に心構えとして認識をしておく必要がございます。非常持ち出し袋の準備、それから避難場所や避難経路の確認、消火体制、家族との連絡体制などとともに、家具等の転倒防止対策についても常々PRに努め、周知徹底する必要があると考えております。しかしながら、一般世帯との均衡を考慮いたしますと、高齢者や障害者世帯といえども基本的には自分の安全は自分で確保するという観点から、市独自で転倒防止器具を設置をしたらどうかということでございますが、その考えはないということを御理解いただきたいと思います。なお、宮城県においては、家具転倒ゼロ作戦を展開をし、家具などを床、壁などに固定する事業を今年度秋以降に実施する予定とのことでございますが、この詳細についてはまだはっきりしておりません。現在検討中とのことでございますので、本市においても県と協議をしながら対応してまいりたいと考えております。
再質問根本朝栄議員 御答弁ありがとうございました。
全体的に前向きな御答弁をいただいて感謝申し上げます。家具の転倒防止につきましては、県の方でやるということでありますから、十分に協議をして、お願いをしたいと思います。1点だけ、脳ドック助成について、「前向きに」という、最後に市長の本当にうれしくなるような御答弁をいただきまして、取り組んでいただけるということでございますので、一つだけ、検査医療機関がいっぱいあって、値段も違うということでありますから、できれば委託をする、特定の医療機関に委託をして、多賀城市にくろさわさんがありますから、そこに委託をしてお願いするという方法もあると思うのです。あちこちに行くという考え方よりも。そういうところも検討できないかどうか、お願いをしたいと思います。