後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書に対する反対討論     トップ

 

 後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書に反対の討論を行います。

 わが国の国民総医療費は、約30兆円以上の財源を要し、その内、老人医療費が約11兆円となっており、17年後の2025年には、約25兆円に伸びると予測されております。このように、保険財政が大変厳しく、破綻寸前の現状の中で、年々増えつづける高齢者の医療費を、国民みんなで支え、安心して医療が受けられるよう、本年4月から創設されたのが後期高齢者医療制度であります。この制度の特徴は、医療費の5割を公費負担、4割を若い世代の負担、1割を高齢者の保険料とし、持続可能な制度とするため財源の内訳を明確にした点にあります。

 しかしながら、この制度を運用するにあたって、高齢者に配慮した説明や準備が不足したのに加え、保険料の徴収ミスが起きるなど、制度を運営する側に批判が集中してしまい、制度本来の趣旨まで、多くの人に誤解を与えてしまったことは誠に残念でなりません。

しかし、世界に例のないスピードで超高齢化社会へと突き進む日本にあって、世界に誇れる日本の「皆保険制度」を維持するためには、どうしても必要な制度であることを、ご理解いただきたいと思うところであります。政府与党におきましては、国民の批判を真摯に受け止め、このたび、運用改善を図ることを決定いたしました。

その内容は、均等割が7割軽減される世帯の内、全員の年金が80万円以下については、明年から9割軽減を適用し、本年は8.5割軽減することになりました。また、所得割についても、年金収入が153万から210万程度の方まで、50%を減額することにしております。尚、これらの措置を講じても保険料を支払えない事情がある場合は、個別の減免も含め、市町村できめ細かく相談できる体制をつくることとなりました。さらには、保険料の年金天引きに関しては、本来、どうせ納めなければならない保険料でありますから、納付者の立場に立って、わざわざ納付するわずらわしさをなくすとともに、行政の収納経費の削減のため、年金天引きにしたのでありますが、この点にも改善を加え、自身の口座からの引き落としを可能とするほか、世帯主や配偶者が肩代わりする納付も選択できるようにするなど、このたびの改善策は、高齢者の皆様の様々な生活状況を考慮し、まとめあげたものであります。

このように、政府与党では、高齢者の皆様にご理解をいただくよう一生懸命努力を重ねている一方で、あろうことか、野党の皆さんは、何ら対案を示さず、財源も示さず、崩壊寸前だった従来の老人保険制度を復活させるため、本制度の「廃止法案」を参院に提出し可決しただけではなく、衆院での同法案の審議を放棄したのであります。誠に無責任極まりない対応に、国民の批判は続出しているのであります。

 また、「うばすてやま」と、品があまりよくない表現で、本制度を批判されている方がおりますが、批判するだけで、何ら手を打たなければ「国民皆保険制度」の維持は、到底かなわないことを認識していただきたいのであります。

さて、この意見書案のなかに、「長年の社会貢献にふさわしく高齢者が安心して医療を受けられる制度を国の責任でつくるようにすべきであり」との下りがありますが、まさしく、高齢者の皆様が、いつでも、いつまでも、安心して医療を受けられるよう、国が責任を持って創設したのが、後期高齢者医療制度であります。

従いまして、本制度は、皆保険制度を維持するために、必要不可欠な制度であり、廃止を求める意見書案に理解を示すことは、到底不可能であります。

市民の皆様には、本制度の趣旨をご理解いただきますよう強く願うところであります。

 以上、私的見解を申し上げ反対討論といたします。